健診と検診の違いを知っていますか?
健診は健康診断または健康診査のことで、
健康な体を維持するということを目的に全身の状態を持続的にチェックするものです。
検診は、特定の病気を見つけるために検査を行うものです。
そのため、検診には枕詞として、「胃がん」検診や「結核」検診など、具体的な病気の名前がつくことが多いです。
健診を受けることはもちろん大事です。
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病にならないよう、定期的にチェックをして、検査の値をフィードバックして、健康な身体を維持することに役立ちます。
しかし、健診さえ受けていれば病気にならないというわけではありません。。
健診を受けていれば大丈夫?
一般的な健診で行われるのは、血液検査、レントゲン、心電図などでしょうか。
もちろん、定期的に健診を受けていても結果をスルーしていたら意味がありませんが、、
健診の項目で異常が現れなくても、病気が隠れていることは往々にしてあります。
特にがんにおいては、症状が出たり血液検査に異常が出るほどのものは、早期ではないことが多いです。
症状が出る前に検診を。
基本的には、急に症状が出るものは、炎症性のものが多いです。
がんでは、進行するに従ってゆっくりと段階的に悪くなることが多いです。
症状がでるほどのがんということは、それなりに時間をかけて「育っている」ということです。
食事が通らないほどの食道癌
しこりがはっきりと触れるほどの乳癌
黄疸が出るほどの肝臓癌
便秘になるほどの大腸癌
…ではなくて、
もっと早い段階で発見したいですよね。
もちろん、現代では治療もどんどん進歩しているので、進行していても治療が効いてぐんと良くなることも増えました。
10年前では考えられないほど予後が改善した病気もたくさんあります。
(なので、症状がある方も「もうだめかも」なんて思わずに、すぐに医療機関を受診して下さい。)
しかし、やはり大切なのは早期発見。
早期発見のためには、症状がないうちにコツコツと検診を受けることが大切です。
腫瘍マーカーについて
ちなみに「腫瘍マーカー」というものがあります。がんがあると数値が上昇してくるもので、血液検査で調べます。
検診でオプション項目として選べることもありますが、これはもともと、癌の勢いを評価するためのものなので、がんの拾い上げには向きません。
例えば、進行癌で特定の腫瘍マーカーが高かったものが、手術や抗がん剤などの治療で数値が下がってくれば、治療が効いていると判断する根拠のひとつになります。
逆に腫瘍マーカーがどんどん上がってくるようであれば、効いていない、もしくは再発したのではないかと考えるきっかけのひとつになります。
腫瘍マーカは、早期のがんでは異常になることは少なく、進行がんでも腫瘍マーカーが正常な場合も多々あります。
「腫瘍マーカーが陰性であればがんはない」といえるものではないのです。
例えば、CEAやCA19-9(腺癌のマーカー)が正常だからといって、大腸がん検診や胃がん検診などを受けなくて大丈夫ということにはなりません。
余談ですが、PSAという前立腺癌のマーカーは、検診として前立腺癌の拾い上げに使われていますが、これは唯一といっていいほどの例外です。
血液検査や尿検査で癌を拾い上げするためのマーカーは、色んなところで研究が進められてはいますが、医学的根拠をもって実用化されるまでには、もう少し時間がかかりそうです。
うまい話は(まだ)ないので、
健康のために、真面目にコツコツ、健診と検診を受けていきましょう。
40歳過ぎたらがん検診を!