今回はポリープコラム第2回目、大腸のポリープについて解説します📖
→当院の大腸カメラについてはこちら
ポリープの種類については、ブログ「胃のポリープについて」で解説しました。
大腸ポリープは、胃のポリープと異なり、腫瘍性のポリープが多いです。
大腸の代表的なポリープで、取った方がよいポリープと様子を見ていてよいポリープについて説明します。
◾️取った方が良いポリープ
癌になる恐れのあるポリープや、
良性でも出血しやすく貧血の原因になり得るものは切除した方が良いでしょう。
基本的には胃のポリープのコラムで述べている注意が必要なポリープと同じです。
粘膜が分厚く血流が豊富な胃に比べて、大腸はポリープ切除による出血が比較的少なく日帰りで取れることも多いため、迷ったら取って差し支えありません。
◾️取った方がよいポリープ①腺腫
「大腸ポリープを取った」
という場合、腺腫(せんしゅ)というポリープが大半かと思いますが、
この腺腫というのは良性腫瘍の代表です。
良性といっても腫瘍ですから、放っておくと少しずつ大きくなったり、細胞の性質が悪性(つまり癌)に変わったりする恐れがあるため、6mmを超える場合には切除することをお勧めします。
10mmを超える場合には、すでに癌になっている確率が高まります。大きいほど切除した後の出血のリスクは高くなるため、10mmを超える場合は入院での切除が望ましいでしょう。
5mmまでのポリープに関しては、すぐに癌になるものは頻度としては少ないものの、小さくても癌になるものもまれにあります。
1-2mm程度など、あまり小さすぎるものに関しては様子を見て問題ないことが多いですが、
ポリープの形や"顔つき"によります。ポリープ一つ一つに顔があり、癌かそうでないか、癌であればどのくらいの深さまで入っているかを見極めるのが内視鏡医の腕の見せどころです。小さくても癌になりそうな"顔つき"をしているものは積極的に取ります。
◾️取った方がよいポリープ②SSL(SSA/P)
大腸ポリープの場合、腫瘍性でないポリープでも癌になる可能性ががあります。
大腸の奥の方(盲腸や上行結腸)にできやすい、平べったいタイプのSSL(SSA/P)というポリープです。
SSL(SSA/P)が疑われるものは切除が望ましいとされます。
SSL(SSA/P)は、一般的に"ポリープ"と言われて想像するキノコの様な形ではなく、平べったくて、表面に粘液がべたっとくっついていることが多いです。
やっかいなのは、平べったいので、ヒダのうらに隠れたり、認識しづらいことです。
「去年大腸カメラをして、ポリープはなかった」と仰っていた患者さんに検査をしたら15mm越えのSSLが3つも4つも見つかるということもあります。
その他、取った方が良いポリープとしては、過誤腫性ポリープ、若年性ポリープ、カルチノイドなどがありますが、
上記①.②より頻度が低いので、ここでは名前だけのご紹介とします。
◾️取らなくて良いポリープ 過形成性ポリープ
胃の過形成性ポリープと違い、癌になることはほとんどありません。
大腸の奥にあるものはSSLと鑑別が難しいこともあるため、切除することもありますが、5mmを超えず、S状結腸や直腸にあるものであれば基本的には取らずに様子を見ることが多いです。
その他、取らなくていいポリープとしては、炎症性ポリープなどがあります。
◾️取るべきか、取らざるべきか…
大きいポリープが全て悪く(癌に)なるかというとそうでもないですし、小さいからといって全く癌にならないわけでもありません。
「クリーンコロン」と言って、「ポリープあらば全てとってしまえば癌にはならない。」という考え方もありますが、小さなものに関しては、取るか取らないかの判断は医師によって異なります。
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当院では8月から大腸カメラの検査が可能になりました。
鎮静剤を使用した大腸カメラ、日帰りでのポリープ切除も可能です。
◾️当院でのポリープ切除について
当院では、10mm以下の大腸ポリープは原則日帰りでの切除が可能です。
10mm以下でも、
①出血のリスクが大きいと判断される場合
②癌の可能性があるので電気メスを使用して取った方が良いと判断した場合
などは、入院が可能な医療機関へご紹介をさせて頂きます。
小さなもの関してはポリープの大きさと"顔つき"をよく見て、取るべきか取らなくて良いかを判断しています。もちろん、小さなポリープでも取って欲しいというご希望があれば、切除しています。
ご要望については、検査前やポリープを取る前に都度確認をしておりますので、お気軽にお伝えください😊